妊娠してからベイビーを迎えるまでの妊娠期間は、約290日。十月十日(とつきとおか)と言われ、月経周期28日を1ヵ月だと考えたら、月が地球の周りを10周するほどの長い道のりです。
このコラムでは、ヨガライター&ヨガインストラクターとして活躍するむらかみはなこさんが、プレママ時期(妊娠中)に役立つ呼吸法や、ママになってから取り入れたいヨガポーズなど、健やかなマタニティライフのためのヨガ的ヒントとともに、ヨガママンへの道をご紹介します。
月経の遅れに気づく4週~5週目頃、すでにお腹のなかでベイビーの脳や脊髄など各器官が芽生えはじめています。ママンによっては5週目頃から、からだが変化に敏感になり、つわりの症状や、微熱によるだるさといった不良に悩まされるなど、ブルーな気持ちになるママンも多い時期です。
妊娠初期は、からだを動かすことよりも、からだの変化に耳を傾けてリラックスすることにフォーカスしましょう。特にこの時期に気をつけたいのは目の疲れ。おばあちゃんの世代から、「産前産後の針仕事はいけないよ」と言い伝えられているのは、目の疲れが背骨を通じて骨盤や子宮を緊張させるため。子宮周りの緊張は、流産などのトラブルを招く原因のひとつ、そして目の疲れや首回りのコリは、つわりの症状を助長させるもの。そこで今回は、妊娠初期の不安定なこころとからだに効果的な『月と太陽の呼吸法』をご紹介します。
始めるまえのご注意:
・マタニティヨガは安定期に入る16週目以降から行うのが一般的ですが、始める前に必ずかかりつけの主治医にご相談の上、医師のアドバイスに従ってください。
・ポーズの最中にお腹の張りや不調を感じた場合は、速やかに中止し安静にしてください。
・マタニティヨガは信頼できる経験豊かな指導者の下で行ってください。
お産は本能でするものと言われているように、妊娠すると心と体がお産の準備を始め、五感が優位になります。妊娠初期の私は、嗅覚が敏感になり過ぎてつわりが酷く、キッチンに立つときは、ハッカ油を馴染ませたマスクが手放せませんでした。食用にも使われる、優しい和種ハッカは妊婦さんにお勧めです。(むらかみはなこ)