パリの街を歩くと、石畳をハイヒールで颯爽と歩く女性たちの知的な美しさと、その姿勢の良さにハッとさせられる。パリは14区、1920年代にピカソやマティス、ヘミングウェイといった名だたる芸術家や作家に愛されたモンパルナスの一角に、パリジェンヌを魅了しているヨガスタジオがあると聞いて訪れた。
近年パリジェンヌのヨーガへの関心は高まる一方で、2012年にはフランス初となる総合ヨガイベント「ヨガフェスティバル・パリ」が産声をあげた。パリの街で「YOGA STUDIO」という看板に遭遇することも多くなった。ヨーロッパで古くから人気のあるアイアンガ―ヨガスタジオや、世界的なホットヨガスタジオチェーンだ。フランス初のヨガ専門雑誌「Esprit Yoga」はヨガポーズ上達法に留まらず、ベジタリアンレシピやインドへのヨーガの旅、禁煙を手助けするコラムなど、ヨーガを軸に健やかなライフスタイルを包括的に紹介している。
<写真>カナダ・バンクーバー出身のヨガインストラクター、ブリタニー(Brittany Fuller)さん。英語レッスンを担当している。
ヨガスタジオ『Beyoga』オーナーのマリーさんがモンパルナスにスタジオを構えたのは2010年のこと。20年間テレビプロデューサーとして目まぐるしい日々を送るなかでヨーガの素晴らしさに魅せられたという。「ここではジヴァムクティヨガやアヌサラヨガ、アシュタンガヨガ、クンダリー二ヨガ、陰ヨガなど、私たちがアメリカやロンドンへの旅を重ねて学んできた優れたヨガスタイルをご紹介したいと考えています」とマリーさん。最先端のヨガスタイルを網羅したバラエティに富んだプログラムは、自分らしく美しく生きることに敏感なパリジェンヌだけでなく、パリで働くエトランジェ(異邦人)にも人気だ。
<写真>(左)フランスの学校は水曜日がお休み。『Beyoga』では水曜日に子供向けヨガクラスYogamini (ヨガミニ) を実施している。お父さんのバイクに乗ってスタジオにやってきたリトルヨギーニ。(右)スタジオ設立者のマリー(Marie Marty Lozac’h / 右)さん。デヴィッド・スウェンソンのアシュタンガヨガ教本をフランス語に翻訳者でもある。ヨガインストラクターのマリオン(Marion Souleliac / 左)さんは日本文化にも精通している。
そして『Beyoga』は、デイヴィッド・スウェンソンやエレナ・バウアーなどアメリカの著名ヨガインストラクターのフランスのホームスタジオとしてヨーロッパ中のヨガインストラクターに知られる存在だ。運がよければパリにいながらにして、世界トップレベルのヨガワークショップに参加できるかもしれないし、ワークショップに参加できなかったとしても、質の高いヨガレッスンとフレンドリーなフロントスタッフが迎えてくれるだろう。
<写真>スタジオエントランスに併設されているヨガブティック。ヨガグッズやウエア、ココナッツウォーターも。
Photo : Courtesy to Beyoga, Paris.