vol.8 Odaka Yoga オダカヨガ/Rome

vol.8 オダカヨガ / ODAKA YOGA

ローマの主要駅テルミニ駅からバスで約20分、ボルゲーゼ公園の丘を越えた閑静な住宅街にOdaka Yoga(オダカヨガ)はある。欧州を代表するヨガティーチャーであり、英国のヨガマガジン『Om Yoga(オムヨガ)』が選んだ“現代を代表するヨガマスター”のひとり、ロベルト・ミレッティのホームスタジオだ。

ロベルト・ミレッティの人生経験を生かしたオダカヨガとは

<写真>元イタリア空手チャンピオンのロベルト・ミレッティ。生徒からは「sensei」と呼ばれ親しまれている。禅名は「嵐」。オダカヨガのインストラクターはみな「鷹」、「熊」などの禅名を持つ。

オダカヨガで受けられるのは、マーシャルアーツとヨガを融合したオリジナルのヨガスタイル「Odaka Yoga」と「Warrior Dance R」、そしてアライメントにフォーカスする「Aligned & Present」 だ。オダカヨガは、海岸に打ち寄せては消える波の動きにインスピレーションを受けた動きに、マーシャルアーツに禅の心を学んだというロベルト・ミレッティの人生経験を生かしたもので、丹田を意識しながら尾骨から背骨を揺らして体をリラックスさせ、流れるようにポーズに入っていく。

「ヨガアサナに終着点はありません。体をポーズの完成形に到達しようとすると体が自ずと緊張します。オダカヨガでは海の波をイメージしながら尾骨を軸に動き、一瞬一瞬を感じることで体にあるポーズを見出していくのです」と、ロベルトは言う。

ミラノに比べ、ローマのヨガは「リラックス」

<写真>広々としたスタジオにはスタジオと更衣室、そしてレッスン後に寛げるティースペースもある。スタジオはこのマンションの地下2階

オダカヨガには、ロベルト・ミレッティの元イタリア空手チャンピオンとしての経歴に、ヨガだけではなく、マーシャルアーツや禅に興味を持つ生徒がローマ中から集まり、時にsensei-ロベルトを相手に質疑応答が行われる。「mondo(問答)」と呼ばれる質疑応答の内容は、ポーズに関するものから人生相談まで多岐に渡り、参加者は真剣そのもの。それでも、もうひとつのヨガの中心であるミラノと比べると、ローマのヨガはリラックスしている、とロベルト・ミレッティのパートナーであり、イタリア国内でヨガ指導者育成に携わるフランチェスカ・カッシアは言う。

「2009年にイタリア初のチャリティイベントをオーガナイズした時のことです。ナボナ広場に約500名が集まってイタリアを代表するヨガティーチャーのリードで108回の太陽礼拝を行うことになっていました。当日は汗ばむ陽気の夏日だったのですが、集まった人が広場の向こう側のカフェへひとりふたりと消え、エスプレッソ片手にひと休みして、また戻ってくるのです。ミラノではあり得ないことです」。フランチェスカは、笑いながら話してくれた。

スタジオレッスンは、 フランチェスカをはじめ、オダカヨガの指導者養成講座を修了したインストラクターが担当する。夜のレッスンには男性の姿も見られる。また運が良ければロベルト・ミレッティ自身がスタジオにひょっこりと現れることもある。男性トラベラーも気軽に立ち寄れるローマのオアシス的、ヨガスタジオだ。

Photo : Courtesy to ODAKA YOGA.