シドニーは、オーストラリア最大の都市でありながら、一年を通じて温暖な気候に恵まれていて、自然との「つながり」を感じやすい街。高層ビルが立ち並ぶ街の中心部を歩いてみても、アーバンな雰囲気のなかに、肩ひじを張らないリラックスした空気が漂っている。
住民の環境問題への意識や、持続可能な消費への関心は高く、オーストラリア版“ホールフーズ・マーケット”とも言えるオーガニックスーパー「FLANNERYS(フラネリーズ)」や「ABOUT LIFE(アバウトライフ)」では、食品はもちろん雑貨やコスメにおいてもオーガニックを選択する心地よさを提案している。大型オーガニックスーパーが定着しているだけでなく、フェアトレードのカフェや、地産地消や持続可能をコンセプトにしたマーケットやデリカテッセンが身近にあるのは、旅するヨギーにとっても嬉しい発見だ。
ふらっと行ってみたいシドニーのヨガスタジオ。今回ご紹介するのは、シドニー中心部から電車で北上すること約15分、シドニーノース地区のアーターモン駅近くにあるヨガスタジオ「YOGA PAVILION(ヨガパビリオン)」だ。同スタジオでヨガインストラクターとして勤務する 板倉 彩(いたくら あや)さん に話を聞いた。
「ヨガパビリオンは、ヨガビギナーから経験者まで一人ひとりの生徒を丁寧に指導するクラス展開が特徴です。ハタヨガのクラスはもちろんハンモックを使って行うAnti Graviti ® のプログラムも豊富で、フィットネス要素の強いヨガからリストラティブヨガまで、幅広いプログラムが用意されています」と、彩さん。クラス定員は14名と少人数制で、都心部にある大規模スタジオでは感じられないアットホームな雰囲気や、きめ細やかな指導が期待できる。
スタジオディレクターのAlanna Chan(アラナ・チャン)が、体を動かすための空間「SPACE TO MOVE」をコンセプトに、2012年にオープンさせたスタジオで、2階スタジオの開放感溢れる大きな窓からは自然光が差し込み、ヨガをしながら緑が茂る中庭を見渡すことができる。竹素材のフローリングは裸足に気持ちよく、開け放つ窓からつづくサンルームのウッドデッキへそのまま出られる。
彩さんが担当するハタヨガクラス「YOGA ESSENTIAL」「HATHA VINYASA」(ともに60分)では、プロップスや壁を使って、ポーズの作用や体の使い方をわかりやすく伝えているそう。「シドニーに暮らす人は、自分が暮らす地域への愛着が強く、地域ごとに日々の暮らしに根ざしたそれぞれのスタイルでヨガを楽しんでいます。平日はオフィス街のスタジオへ通っている生徒も、週末は自宅近くのスタジオへ通う傾向が強いようですが、ヨガパビリオンには近隣の住民だけでなく、大型スタジオが苦手な人たちが自然と集まってきます。フレンドリーで国際色豊かなヨガコミュニティがあるので、日本人の方でも、ヨガをしたいと思ったら気軽に立ち寄れる静かなスペースです」と彩さん。
<写真>1階スタジオ。英語で行われるクラスの他、毎週日曜日には彩さんが自主開催する日本語ヨガクラスも
スタジオ名にある「パビリオン」とは、休憩所という意味。プラクティスの修練と静寂、開放感と居心地の良さが同居するスタジオは、仲間と楽しく体を動かしたい人にとっても、リストラティブヨガや陰ヨガで静かに自分自身と向き合いたい人にとっても、ほっと一息つけるオアシスのようなヨガスペースだ。
Photo : Courtesy to YOGA PAVILION