インヨガ-ルが語る「陰ヨガ」の魅力

インヨガ-ルが語る「陰ヨガ」の魅力

【連載第ニ回】陰ヨガで、こころもからだも、かる~く。

綿本ヨーガスタジオで「陰ヒーリング」クラスを担当するGORI宮下先生、ヨガインストラクターでヨガワークスが発行する『YOGAPRESS』ライターである村上華子先生、ヨガスタジオ・ヨガマで「子宝ヨガ」を指導する西川尚美先生、「今日からはじめる陰ヨガ」編集者・長島恭子氏、日本語版DVD『ポール・グリリーに学ぶ陰ヨガ』プロジェクトマネージャーで翻訳アシスタントを務めたヨガワークス伊澤加菜子による陰ヨガ女子座談会が、銀座の某カフェにて行われました。


― みなさんにとって「陰ヨガ」は、どんなヨーガですか?他のヨガスタイルと比べて、ユニークな点とはどんなところでしょう?

西川先生「私はもともと、パワーヨガやアシュタンガヨガが大好きなんですが、ノリノリで楽しくて、ついやり過ぎて、調子を崩しやすくなっていました。その点、陰ヨガは、じっくりと今の状態に対峙することの大切さを教えてくれます。ポール先生に陰ヨガを教わった時、経絡までを解剖学的観点から解析される知識に感動すると同時に、常に”陽”を求めていた私にも”陰”が必要だったことを、気づかせてくれました」

村上先生「(陰ヨガを)最初はゆるいヨーガなんだと思っていたんですが、意外なことに、しっかり身体を使った感覚が得られるんです。そして、心の変化が感じられるのが面白い! “このポーズを5分間行うなんて…”と、ポーズの始めは、挑戦したいような、避けたいような気持ちが入り交じって葛藤するのですが、そのうち、心地よい場所が見つかって、気が付くと葛藤が安心に変わっている。ポーズの最後の方になると、もう少し、このままいさせて…なんて思っていたり(笑)まさに、5分間のドラマが体験できます」

― 5分間のドラマ!陰ヨガは、ドラマチックなヨーガだったのですね。それは、先生のインストラクションによるところも大きいのでしょうか?

村上先生「そうですね、ドラマを感じられるレッスンでは、ご褒美をもらったような喜びがあります」

― GORI先生は、指導されている時に、生徒さんが感じているドラマを、感じられることはありますか?

GORI先生「ほ? 振られちゃいました。頑張って喋らなきゃ(笑)」

村上先生「GORI先生の陰ヨガレッスンに参加した時、BGMが秋の虫の音だったんです。それも集中を深めてくれる要素だったと思いますが、葛藤から安心への心のドラマをちゃんと感じられました!」

GORI先生「それは、良かったです(笑)私も生徒として、似たような経験をしたことがあります。バリで陰ヨガレッスンを受けた時、『ヨガ・スートラ』を読む先生がいたんです。言葉の問題で完全に理解することはできないし、5分のホールドはキツいし…。心地いい状況ではなかったんですが、長いホールドを繰り返していくうちに、『ヨガ・スートラ』がBGMになって、色んな感情が遠のいていく感覚がありました。そして、シャバ・アーサナでレッスンが終わった後、足が軽いこと軽いこと。「これはすごい!」と、帰国後のパワーヨガレッスンで、ストレッチの代わりに陰ヨガのポーズを取り入れてみたんです。そしたら、「なにこれ?足が、軽くなった!すごい!」と、生徒さんが大喜び(笑) 結合組織にゆるやかな刺激を与え続けることで、血流やリンパの流れが良くなるんだと思います。陰ヨガでは、そういった身体的な変化も見られますよね」

<写真>激しく動くヨーガのしすぎで調子を崩していた時に、陰陽バランスを整えてくれたのが、陰ヨガでした。(西川先生)

― 身体的な変化と言えば、陰ヨガは、筋膜、靭帯、腱などの結合組織や関節など、深層の組織を弛めて、血流を促してくれると言われますね。気になるヒアルロン酸も増えるのだとか。

伊澤「そうそう。ポール先生の陰ヨガDVDのレクチャー編の後半に収録されている、陰ヨガとヒアルロン酸の解説は、印象的でした。結合組織に働きかけることで、繊維芽細胞が刺激されて、ヒアルロン酸が増えるという。体感しやすいところでいうと、陰ヨガで、結合組織に負荷をかけてからリリースすると、血流が良くなりますよね」

GORI先生「氣も血液の上を流れているようなので、その作用があるのかもしれないですね」

― ヨガを指導する立場ではなく、実践されている長島さんにとって、陰ヨガとは?

長島さん「私にとってヨ―ガは、続けられたらいいな、と思うエクササイズなのですが、いろんなヨーガがある中で、陰ヨガがいいと思うのは、ホールドが長くて素人向きなところです。他のスタイルだと、ついていくのに精一杯で、じっくり深める暇がないものですが、陰ヨガでは、どうしたら心地よくなるかを考える時間があって、先生の言葉を受け取れる瞬間もやってくるんです。ヨガビギナーにも向いているし、頭でっかちなビジネスマンにもいいと思います(笑)」


インヨガール代表の先生方も、初めての陰ヨガポーズは「辛い」ものだったそう。5分間のドラマの中で、「あるがまま」を受け入れた時に待っているのは、「辛さ」の裏返しとも言える、こころに沁みいる心地よさ。次回は、インヨガール上級編。陰ヨガとの上手な付き合い方をヒアリングします。硬くなりがちなボディ&マインドを、じんわりと深部から弛めてくれる陰ヨガポーズで、こころもからだも、かる~く生きましょう。